カントリー倶楽部 経営談話
第四話 会員主催のメインイベント (Member / Guest Tournament)
プライベートクラブでは、年間を通して多数のゴルフやテニスのトーナメント、各種パーティーやイベントが開催されます。家族向けにはEaster SundayのEgg Hunt、母の日ブランチ(なぜか父の日ブランチは人気が無く、商売にはなりません・・・)。子ども向けには夏休みのゴルフ、テニスや水泳のスクール、秋のハロウィーン・パーティー、12月のクリスマス・パーティー等、数多くの行事が行われます。それらの多くは、会員へ付加価値サービスを提供し満足度を高めるために、クラブ運営側が中心に企画・推進しています。しかし、イベントの中にはグローボール・トーナメント(夕方スタートで、夫婦で蛍光ボールを使用し9ホールゴルフを楽しみ、ディナーで締めくくり)等、経営サイドが収益を確保する目的で8月・9月の会員プレー数が減る時期に企画・運営するイベントもあります。
クラブ最大のイベントはMen’s Member / Guest Tournamentです。これは男性会員が会員以外の友人(ゲスト)と2名のチームになり、3日間の通算スコアーとそれ以外にもいろいろなゲームで競う催しです。当然毎晩、ゴルフ終了後にもレストランやバーで引き続きパーティーが開催されます。そして最終日の日曜日の夕飯は、奥様同伴のフォーマルな夕食会と表彰式です。このイベントは毎年完売となり、キャンセル待ちが出るほどになりました。
しかし、経営を引き継いでからこのトーナメントが単体として収益を確保できるまでは、約3年間の時間を要しました。当初の問題点は(1)イベント自体が過去の惰性に近い形で行われていた (2)開催時期も経営サイド中心で決定され、9月のコースコンディションが万全でない時期に行われていた (3)毎年同じクレームが繰り返し上がっていたにも関わらず、改善されていなかった というものでした。
基本的な問題点は、参加者の要望と経営サイドの対応がかみ合っていなかったところにありました。そこで(1)から(3)の問題を会員たちとのコミュニケーションを増やす事を中心に、改善していきました。(1)に関しては、毎年Men’s Clubの代表と半年前より、全体の内容、要望、スタッフの数と配置、賞品、3日間のランチ、夕飯のメニューやビールやワインの銘柄・配置場所等まで、細かく打ち合わせをしました。これらに費やされた会議数は半年間で数十回にもなります。(2)は少々難しいポイントもありました。会員サイドはゴルフシーズン始めの5月にトーナメントを希望しました(気候もコースコンディションもベストの時期です)。この場合、1)参加希望の友人が多い 2)気候的にも最適 3)夏休み前で家族持ちでも土日参加できるチャンスが高い 4)コースコンディションが良い 等が理由でした。経営サイドとしては、1)この時期は、通常のグリーンフィーを支払うゲスト数も多いので、週末のゲストフィーが減る 2)時期的に外部へのトーナメント販売も多く、収入以外にもコースコンディションにストレスが掛かっている 3)できればプレー数が少ない時期に収益を補填する形で行いたい 等の意向がありました。
しかし、会員たちと十分のコミュニケーションを取り、経営サイドの状況もある程度理解してもらった上で5月に開催する様になりました。この結果、普段の会員たちの協力も一層多くなり、会員だけではなくトーナメントに参加したゲストが(1)新規会員権を購入してくれる(2)クラブの良いコースコンディションを宣伝してくれる(3)クラブの経営人と会員が協力しあっていることも宣伝してくれる 等、収益性の高い新規会員権の販売に大きく貢献するようになりました。
このように5月に開催されるメンバー/ゲスト・トーナメントは、会員の協力を得て単体で利益を上げるだけでなく、新規会員権販売のプロモーション・ショーケースの役割を果たすようになっていきました。
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